2015年 ベストオブ分売&ワーストオブ分売

2015年も101件の立会外分売が実施され、それぞれに波乱万丈がありました。
そこでベストオブ分売、ワーストオブ分売をそれぞれ発表します!

主観では色々と賛否両論あると思うので、ここは公正な基準で機械的に決めたいと思います。
単純に利益率が高くても配分が少ないものは全員が儲かったとは言えず、そこそこの利益でも大量配分の銘柄の方が全員が儲かっていることもあるので、利益額(損失額)×枚数(単元株数)の総額=総利益でランキングを発表することにします。

なお、以下の理由により比較対象は分売日当日の始値ではなく終値で評価しています。
1.札証銘柄の公正な評価(後述の通り)
2.始値で比較するとあまり差が出ない(優秀な銘柄は終値が伸び、微妙な銘柄は沈みやすいため)

投票システムができたら、来年はユーザ投票部門も作ろうかな?

ベストオブ分売

順位 日付 コード 銘柄名 分売数量 分売価格 当日終値 単元利益 総利益(万)
1位 6/4 2928 健康コーポレーション 61,600 795 864 +6,900 +42,504
2位 11/13 2782 セリア 10,000 4,399 4,580 +18,100 +18,100
3位 5/19 4722 フューチャーアーキテクト 14,300 650 693 +4,300 +6,149
4位 4/28 7730 マニー 3,500 7,702 7,830 +12,800 +4,480
5位 3/25 4290 プレステージ・インターナショナル 14,000 855 881 +2,600 +3,640
6位 6/30 2301 学情 4,000 1,220 1,305 +8,500 +3,400
7位 2/20 7412 アトム 30,000 722 732 +1,000 +3,000
8位 12/10 9663 ナガワ 1,000 3,832 4,085 +25,300 +2,530
9位 12/16 3179 シュッピン 2,500 1,171 1,272 +10,100 +2,525
10位 3/12 8255 アクシアルリテイリング 1,499 2,989 3,110 +12,100 +1,814

第1位はダブルスコア以上の大差をつけて堂々の健康コーポレーションが2015年ベストオブ分売に決定!
取りやすく儲けも大きい分売で我々に合計4億円以上の利益をもたらしてくれました。

ただ、同銘柄の前回3月の分売のときはワースト第3位に入っているように、大損する結果に。 今回は分売数量が多い割には出来高が前回の25倍もあったため、流動性がそれなりにあれば大量の分売もこなせたようです。

ちなみに中の人は、前回の酷さを目にしていたのと個人的に好きではない銘柄だったため完全スルーした結果、取り放題だったにも関わらず相当な利益を逃す結果になってしまいました。

第2位は大型貸借銘柄で値嵩株のセリア。値幅が大きく分売数量も大きかったので配分されやすく、さらに1週間放置するだけで8万円もの利益に。 個人的主観と、スイングトレード部門であれば間違いなくこれが1位になっていたことでしょう。

さらに分かりやすい値動きだったので空売りでも容易に利益が出せ、売り方・買い方とも儲けることができました。

第3位はマイナンバー銘柄として熱かったフューチャーアーキテクト。 比較的分売数量が多く配分もあり、空売りが分売数量の3割以上も入っていたため寄り付きから踏み上げ、翌日まで持ち越せば+10%の値幅が取れました。

その他にも優秀な銘柄が続きますが、総じて言えることは値嵩株または貸借銘柄で分売数量の多い銘柄は利益総額は伸びます。

ワーストオブ分売

順位 日付 コード 銘柄名 分売数量 分売価格 当日終値 単元利益 総利益(万)
1位 6/24 7177 GMOクリックホールディングス 57,100 1,141 1,070 -7,100 -40,541
2位 8/25 9058 トランコム 2,000 6,390 5,520 -87,000 -17,400
3位 3/31 2928 健康コーポレーション 30,800 1,279 1,246 -3,300 -10,164
4位 7/13 6071 IBJ 6,200 1,514 1,480 -3,400 -2,108
5位 12/18 3221 ヨシックス 2,300 3,589 3,500 -8,900 -2,047
6位 11/17 9418 U-NEXT 8,200 1,098 1,076 -2,200 -1,804
7位 9/4 2742 ハローズ 800 2,402 2,234 -16,800 -1,344
8位 9/1 3655 ブレインパッド 2,000 530 502 -2,800 -560
9位 11/17 2208 ブルボン 150 1,738 1,709 -29,000 -435
10位 6/17 7709 クボテック 3,000 1,000 986 -1,400 -420

2015年ワーストオブ分売は、誰もが納得のGMOクリックホールディングスに決定!
詳細についてはGMOクリックHD ~浮動株の10倍の分売で大暴落~の特集ページに詳しくまとめてあるのでどうぞ。

前日出来高1万株の銘柄に571万株も株券が降ってきたらどうなるかは誰でもお察しのとおり。売れ残りが発生し、応募した人にはもれなく全数約定という恐ろしい事態に。 今年の利益を全部吐き出してしまった方もいるのではないでしょうか。

分売応募者には総額で4億円超の損失が発生した裏では、売り抜けた親会社のGMOインターネットには特別利益が発生。

あれから現在も株価は低迷を続けて700円台で推移しているので一度も分売前の株価は奪還できず…
分売応募者だけでなく既存株主にも損を与える、これを超えるような酷い分売はおそらく今後二度と出てこないでしょう。

第2位はチャイナショックの最中に行われたトランコムで、分売日にまさかのストップ安という事態で1枚8万円超の損失に。

それでも翌日はストップ高で6,520円を付け、ストップ安の底値で泣く泣く処分した人は更に涙目になったことでしょう。
いくら鉄板の貸借銘柄でも、NYダウが-1000の歴史的暴落をした日には太刀打ち出来ないことを思い知らされた日でした。

第3位は天国と地獄の健康コーポレーションの3月の分売がワーストにも入選。

札幌証券取引所の上場銘柄の分売申込は、参加証券会社が札証にFAX送信するというのはあまり知られていない事実。
つまり、配分結果の通知が遅いために前場が開いてから大量の株券が降ってくることになります。 この頃は1日の出来高が5万株前後だったため、売り圧力に押されて株価は半月ほど分売値を上回ることはありませんでした。

総評として、1年のうちでも特に酷い銘柄を掴まないよう銘柄の吟味は大切です。 ただし、優良な銘柄は分売前後が大底になることも多く、U-NEXT、ハローズ、ダイキョーニシカワなどは分売割れでも長期保有された方が大勝利でした。

利益額ランキング

順位 日付 コード 銘柄名 分売数量 分売価格 当日終値 単元利益 利益率
1位 12/10 9663 ナガワ 1,000 3,832 4,085 +25,300 +6.6%
2位 11/13 2782 セリア 10,000 4,399 4,580 +18,100 +4.1%
3位 11/26 4979 OATアグリオ 200 1,584 1,736 +15,200 +9.6%
4位 5/15 7487 小津産業 1,000 2,125 2,270 +14,500 +6.8%
5位 4/28 7730 マニー 3,500 7,702 7,830 +12,800 +1.7%
6位 3/12 8255 アクシアルリテイリング 1,499 2,989 3,110 +12,100 +4.0%
7位 12/16 3179 シュッピン 2,500 1,171 1,272 +10,100 +8.6%
8位 1/22 9842 アークランドサカモト 1,487 2,056 2,156 +10,000 +4.9%
9位 8/19 3683 サイバーリンクス 420 1,740 1,838 +9,800 +5.6%
10位 3/11 9729 トーカイ 662 3,633 3,730 +9,700 +2.7%

大型銘柄以外では、OATアグリオなど分売数量の少ない銘柄や一般信用売りのできる銘柄が比較的強かったようです。
セオリー通り、貸借銘柄かつ少量分売は1万円近い利益が出るので、確実に狙って利益を出したいところです。

損失額ランキング

順位 日付 コード 銘柄名 分売数量 分売価格 当日終値 単元利益 利益率
1位 8/25 9058 トランコム 2,000 6,390 5,520 -87,000 -13.6%
2位 11/17 2208 ブルボン 150 1,738 1,709 -29,000 -1.7%
3位 9/4 2742 ハローズ 800 2,402 2,234 -16,800 -7.0%
4位 12/18 3221 ヨシックス 2,300 3,589 3,500 -8,900 -2.5%
5位 6/24 7177 GMOクリックホールディングス 57,100 1,141 1,070 -7,100 -6.2%
6位 9/8 3816 大和コンピューター 500 1,585 1,533 -5,200 -3.3%
7位 7/13 6071 IBJ 6,200 1,514 1,480 -3,400 -2.2%
8位 3/31 2928 健康コーポレーション 30,800 1,279 1,246 -3,300 -2.6%
9位 9/1 3655 ブレインパッド 2,000 530 502 -2,800 -5.3%
10位 11/17 9418 U-NEXT 8,200 1,098 1,076 -2,200 -2.0%

前述の銘柄以外では、ブルボンが損失額ワースト2位にランクイン。 こちらは板・出来高ともに1桁で、最良気配が50円近く離れていたので予想どおりに。それでも完売しているので、こんな銘柄でも申し込む人がいることが不思議でなりません。

大和コンピューターは仕手株化して5倍に釣り上がってからの下落相場、ブレインパッドも業績悪化による右肩下がりチャートなど、テクニカル的にダメなものはダメなようです。

総評すると、ワースト10位でさえもこれくらいの損失に収まっていることを考えれば、よほど酷い銘柄でなければ損も限られるようです。 迷うような銘柄でも統計的に見てみれば参加したほうが期待値的にはプラスかもしれません。

Copyright © 2015 立会外分売研究所 All Rights Reserved.